Journal of Spine Research
Online ISSN : 2435-1563
Print ISSN : 1884-7137
原著
成人脊柱変形手術における術中CTナビゲーションを用いたLLIFの精度の検討―ナビゲーションエラーのリスク因子―
大場 哲郎小田 洸太郎田中 伸樹勝 麻里那竹居 隼人波呂 浩孝
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2023 年 14 巻 5 号 p. 753-758

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抄録

はじめに:成人脊柱変形(ASD)の矯正手術に術中CTナビゲーションを使用したLLIFが併用される症例が増えているがナビゲーション精度の報告は少ない.そこで本術式におけるナビゲーションのずれの頻度とリスクファクターを検討した.

対象と方法:L2~5の3椎間に術中CTナビゲーション下にLLIFを施行したASD 88例(全例女性)を対象とした.術中LLIFのケージを挿入後にナビゲーションの静止画を撮影し,術中CTとのずれを評価し,ずれのあった症例となかった症例の患者背景を比較検討した.

結果:ナビとCT画像の間でケージの位置にずれがあった椎間は7/264(2.6%)で,すべて冠状断で2 mm未満のナビゲーションエラーであった.エラーの頻度は椎間による有意差はなかった.ナビゲーションエラーあり群はなし群と比較して有意に骨密度が低く,それ以外のパラメータに有意差はなかった.

結語:リファレンスフレームは強固で,術野に干渉しない位置に設置することが重要である.さらに脊柱変形を有する症例では,矯正によりリファレンスフレームとLLIF施行椎間の位置関係が変わらない工夫が必要である.

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© 2023 Journal of Spine Research編集委員会
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