Journal of Spine Research
Online ISSN : 2435-1563
Print ISSN : 1884-7137
原著
両開き用チタン製スペーサーを用いた頸椎椎弓形成術の短期臨床成績
山村 亮工藤 理史百々 悠介土谷 弘樹早川 周良江守 永丸山 博史岡野 市郎安川 泰樹白旗 敏之豊根 知明稲垣 克記
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2023 年 14 巻 7 号 p. 999-1004

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抄録

はじめに:両開き用頸椎プレート(CENTERPIECE,Medtronic社)を使用した15例を調査し,短期臨床成績を検討した.

対象と方法:2021年3月以降,両開き式用チタン製スペーサーを使用した18例の内,6ヶ月以上の経過観察が可能であった15例(男性9例,女性6例)を対象とした.手術時間,出血量,術中術後合併症,術前・術後6ヶ月時JOAスコア,術前・術後6ヶ月時平均中間位C2-7角,術後6ヶ月時単純CTにおけるヒンジ部骨癒合を検討した.

結果:平均手術時間は106分(76~138),平均出血量は109 cc(30~339)であった.1椎弓でスクリューが効かず,HAスペーサー設置となった.術後C5麻痺を1例とスクリューのバックアウトを1本認めた.平均中間位C2-7角は術直後4.9°,術後6ヶ月6.3°であった.術後6ヶ月でのJOA改善率は68.4%,ヒンジ部骨癒合率は77%であった.

結語:手術手技上のピットフォールや工夫はいくらか存在するものの,設置は容易であり,初期固定力に優れていた.よって,本システムは両開き式頸椎椎弓形成術に対するオプションの1つになり得ると思われる.

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© 2023 Journal of Spine Research編集委員会
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