Journal of Spine Research
Online ISSN : 2435-1563
Print ISSN : 1884-7137
原著
化膿性脊椎炎の小侵襲手術を取り入れた治療指針
大塚 聖視川端 哲村上 英樹
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2023 年 14 巻 7 号 p. 1005-1011

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抄録

はじめに:化膿性脊椎炎の治療は安静と抗菌薬投与による保存治療が原則とされるが,治療に長期間を要することが多く,合併症が問題となる.当院では,保存治療抵抗性の症例に対し経皮的椎弓根スクリュー(以下PPS)および完全内視鏡下脊椎手術(FESS)を使用した治療を行っておりその有用性を報告する.

対象と方法:対象は2017年4月から2021年3月に手術加療を行った15例で,基礎疾患,起炎菌,罹患高位,保存治療開始から手術までの日数,手術方法,術後CRP陰性化までの期間および術後の入院期間を検討した.

結果:男性12例,女性3例,平均年齢は69歳で,全15例に基礎疾患を認め,起炎菌は13例で同定可能であった.罹患高位は胸椎2例,腰椎13例で,保存治療開始から手術までの平均日数は39日.手術の内訳はPPS9例,FESS2例,FESS+PPSが4例であった.術後CRP陰性化までの期間は平均30日,入院期間は平均74日であった.全15例で感染は鎮静化した.

結語:保存治療抵抗性の症例に対して,PPS,FESSそれぞれの利点を生かし,症例によってこれらの方法を組み合わせて治療にあたることで良好な結果が得られたと考える.

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© 2023 Journal of Spine Research編集委員会
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