Journal of Spine Research
Online ISSN : 2435-1563
Print ISSN : 1884-7137
原著
全内視鏡下脊椎手術後に生じる傍脊柱筋の変性の検討
堀 岳史酒井 清司徳永 綾乃上嶋 亮里見 昌俊吉栖 悠輔
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2023 年 14 巻 8 号 p. 1133-1137

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抄録

はじめに:本研究は全内視鏡下脊椎手術(FESS)術後に傍脊柱筋の変性が生じるかを検討することを目的とした.

対象と方法:FESS術後にMRIを撮影した30例39検査を対象とした.男性21例,女性9例,平均年齢は67.4歳で,手術術式は,経椎弓間法(IL)18例,経椎間孔法(TF)10例,後外側法(PL)2例であった.術後MRIまでの平均期間は245日で,術後MRI検査の理由は,手術同側下肢痛の再燃が12件,症状遺残が12件,対側下肢痛の出現が9件などであった.傍脊柱筋の変性は,Goutallier分類を応用して評価した.

結果:術前MRIで手術高位の傍脊柱筋の変性は,stage1が9例,stage2が19例,stage3が1例,stage4が1例であった.術後傍脊柱筋に変性の進行を認めたのは3例であり,いずれもTF症例で,手術高位よりも尾側の傍脊柱筋に変性の進行を認めていた.

結語:TFアプローチの際に,椎間孔部で傍脊柱筋を支配する脊髄神経後枝を障害することで,手術高位よりも尾側の傍脊柱筋の変性が進行した可能性が示唆された.

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© 2023 Journal of Spine Research編集委員会
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