2023 年 14 巻 9 号 p. 1219-1224
はじめに:3D-printed titanium alloy(PTA)ケージとtitanium-coated PEEK(TCP)ケージを使用した腰椎椎体間固定術の成績を後ろ向きに比較検討した.
対象と方法:2015年10月から2020年7月の腰椎椎体間固定術を施行し1年以上経過観察できた97症例121椎間を後ろ向きに検討した.患者背景因子,手術関連因子,画像評価としては術後3ヶ月でのendplate cyst,スクリューの緩み,ケージ沈下,trabecular bone remodeling(TBR),術後1年での骨癒合の有無を検討項目とした.
結果:endplate cystはPTA群で有意に少なく(p=0.01),TBRはPTA群で有意に多かった(p=0.03).骨癒合率は有意差を認めず(p=0.83),スクリューの緩み,ケージ沈下においても2群間に有意差を認めなかった(p=0.83,0.61).
結語:endplate cystとTRBの結果からPTAケージは初期固定性において有利である可能性が示唆された.