2023 年 14 巻 9 号 p. 1252-1259
はじめに:我々は腰椎椎体間固定術においてHigh-angle cageとPosterior Column Osteotomyを併用し(PLIF with HAP),局所alignmentの矯正と骨癒合に重点をおいている.今回当院でのPLIF with HAPの術後成績を報告する.
対象と方法:2020年4月~2021年11月までの間に当院でPLIF with HAPをした70例について検討した.手術はtotal facetectomyを行い,12°のtitanium cageを使用した.経皮的椎弓根screwを挿入し,全例にCompressionをかけた.検討項目は手術時間,出血量,術前の腰椎骨密度,腰椎側面Xpにおいて,術前/術後/術後6ヶ月のすべり長(%slip),局所前弯角(Segment Lumbar Lordosis;SLL),平均椎間板高/椎体高比,後方椎間板高/椎体高比,術前/術後6ヶ月のJOA score,腰痛VAS,Computed Tomography(CT)での術後半年時点での骨癒合率,術後合併症とした.
結果:%slip,SLLは術前/術後,術前/術後6ヶ月で,JOA,腰痛VASは術前/術後6ヶ月で有意差を認めた.骨癒合率は術後6ヶ月で92.9%であった.合併症は一過性の神経痛が1例であった.
結語:PLIF with HAPは局所alignmentの矯正,骨癒合は良好であった.