2024 年 15 巻 9 号 p. 1165-1170
はじめに:腰仙部変性疾患や脊柱変形に対するOblique lateral interbody fusion at L5/S1(OLIF51)応用の脊椎固定術150例の臨床成績,X線学的アライメント,合併症について調査した.
対象と方法:単椎間固定55例,多椎間固定95例で,平均固定椎間は2.2椎間(1~5)であった.平均経過観察は46ヶ月(13~86)であった.
結果:椎間あたり平均手術時間,術中出血量はそれぞれ112分,60 mlであった.JOABPEQ有効率は疼痛,歩行で85%,82%と高値を示した.L5/S1前弯角,椎間高は術前10度,4 mmから経過観察時18度,5.7 mmと有意に増加した.骨癒合は97%に得られた.重篤な神経血管合併症はなく,変形例でのinstrumentation関連合併症が散見された.
結語:OLIF51による腰仙部固定術は,低侵襲性と高い骨癒合率,優れた前弯形成,残存腰痛の低減が得られる点で有用であった.特に脊柱変形では腰仙部に大きいharmoniousな前弯形成が可能である他,Short-segmentでもPIを考慮した腰仙部での戦略的な前弯形成が可能となる.