Palliative Care Research
Online ISSN : 1880-5302
ISSN-L : 1880-5302
活動報告
在宅緩和ケアと外来化学療法の併診体制の検討
越智 拓良中橋 恒坪田 信三佐々木 徹西久保 直樹森 洋二吉田 美由紀
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2015 年 10 巻 1 号 p. 922-925

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抄録

【目的】当法人で経験した在宅緩和ケアにおける併診の現状と意義について明らかにすること.【方法】2012年4月1日より2013年3月31日の間に在宅緩和ケアを受けた患者の中で,化学療法を同時に受けていた患者を対象とし,カルテによる後ろ向き調査を行った.【結果】当法人が行った在宅緩和ケアは192例であり,これらの中で化学療法を受けていた数は14例であった.当院診療日数は平均192日,併診日数は平均89.8日であった.在宅緩和ケアを開始して死亡に至るまでの期間の約半分は,抗がん治療病院への通院が行われていた期間であった.【考察】化学療法中から緩和ケアスタッフが患者・家族と信頼関係を築くことで,抗がん治療が終了した後も無理なく緩和ケアが進められる可能性が示唆される.外来化学療法中からの在宅緩和ケア併診は意義があるものと考えられた.

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© 2015 日本緩和医療学会
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