Palliative Care Research
Online ISSN : 1880-5302
ISSN-L : 1880-5302
原著
ホスピス・緩和ケア病棟で行われているご遺体へのケアに関する遺族の体験と評価―自由記述における内容分析―
山脇 道晴森田 達也清原 恵美清水 恵恒藤 暁志真 泰夫宮下 光令
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2015 年 10 巻 3 号 p. 209-216

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抄録
【目的】ホスピス・緩和ケア病棟から退院した患者の遺族から,ご遺体へのケアにおける家族の体験と評価を明らかにする.【方法】103施設の遺族958人に質問紙調査を行い,回答した597人の中の自由記述の内容分析を行った.【結果】193人の自由記述から,162人を分析対象とした.162人から301のデータを抽出し,ご遺体へのケアでの満足や不満,行うことへの気がかりや不安などの体験を得た.最終的に3つのカテゴリに分類し,【良い体験としての評価】【つらい体験としての評価】【疑問や戸惑いの体験としての評価】とした.【結論】家族への配慮として,ご遺体は声をかけ丁寧にやさしく扱い,化粧は穏やかで安らかな表情にする.衣服や身に着ける物は早めに準備するように伝える必要がある.家族がケアを行うことは,思い出や死別を受け入れる体験になるが,内容を説明してできることを選択してもらうことや,行えそうかを見極めて勧める必要がある.
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© 2015 日本緩和医療学会
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