抄録
【目的】アドバンス・ケア・プランニング(以下ACPと略)と臨床倫理に関する研修会の医療従事者における学習効果を検証すること.【方法】PEACE緩和ケア研修会の修了者に対して,ACPと臨床倫理に関する550分の研修会を開催した.プログラムは国立長寿医療センターで開発されたEducation For Implementing End-of-Life Discussion(以下E-FIELD)を用いた.研修前後で,ACPと臨床倫理に関する知識テストと人生の最終段階における医療・ケアに関する相談を行うにあたっての困難感(以下EOL相談に関する困難感)を評価した.【結果】34名を解析対象とした.知識テストの総得点は研修後有意に増加し(前18.1点,後23.9点,p<0.001),EOL相談に関する困難感は,13項目中7項目で有意に減少した.【結論】E-FIELDを用いたACPと臨床倫理に関する研修会は,医療従事者のACPに関する知識を増加しEOL相談に関する困難感を改善する可能性がある.