2018 年 13 巻 1 号 p. 23-29
【目的】塩化ストロンチウム(89Sr)の疼痛緩和および骨髄抑制に関連する患者の背景因子の探索を目的とした.【方法】対象は有痛性骨転移のある89Sr投与患者とした.疼痛緩和では89Sr投与前後のNumeric Rating Scale(NRS)より無効/有効に群分けし,骨髄抑制では好中球(Neu),血小板(PLT),ヘモグロビン(Hb),各々の89Sr投与前後の差をアウトカムとし,単変量解析および相関分析を行った.【結果】37名が対象となり,疼痛緩和の関連因子として,89Sr投与量,89Sr投与前NRS,89Sr投与前Ca,骨転移の範囲等が示された.同じくNeu減少では,89Sr投与前Hb,89Sr投与前NRS,89Sr投与前Crで有意な中等度の相関を,PLT減少とは,89Sr投与前PLTで有意な中等度の相関を,Hb減少とは,89Sr投与前Hbで有意な中等度の相関を認めた.【結論】疼痛緩和および骨髄抑制の関連因子を明らかにした.