2019 年 14 巻 2 号 p. 113-126
【目的】医療用麻薬服薬中の外来進行がん患者のがん疼痛セルフマネジメントと痛みの関連を明らかにする.【方法】56人に先行研究より演繹的に抽出したがん疼痛セルフマネジメントとthe Japanese version of the Brief Pain Inventoryによる質問紙調査を実施した.【結果】がん疼痛セルフマネジメントのうち医療用麻薬の定時服薬者は「痛みの及ぼす生活への支障」が有意に低かった.切れ目の痛みを我慢する者は「最も強い痛み」,「平均の痛み」および「痛みの及ぼす生活への支障」が有意に高かった.痛みが出たときにレスキュー薬を服薬する者は「睡眠」への支障が有意に高かった.服薬以外に痛み緩和方法を行う者は「気分情緒」への支障が有意に高かった.【結論】痛みの緩和には医療用麻薬服薬を基本とし,良質な睡眠を確保できる疼痛治療,全人的なケアを含めたセルフマネジメント獲得支援の重要性が示唆された.