2019 年 14 巻 2 号 p. 97-105
【目的】乳がんサバイバーの運動実施の状況と関連要因を明らかにする.【方法】乳がんサバイバーを対象に運動の実施状況,運動効果の知識,運動支援のニーズについて質問紙調査を実施した.運動実施の関連要因は二項ロジスティック回帰分析を行った.【結果】有効回答293名(有効回答率84.2%)を分析対象とした.運動している者は58.4%,乳がん診断後の活動低下は41.3%であった.運動支援を91.9%が希望しており,医療者の支援を望んでいた.運動効果の知識は,睡眠の改善など一般的な効果は約70%知られているが,乳がんに関連した効果は50%以下であった.運動実施の関連要因として「年齢」「仕事」「化学療法」などの7要因が抽出された.【結論】年齢が若く有職者で化学療法中の者は運動実施が低かった.乳がんサバイバーへの運動効果の啓発と継続でき,かつ治療や体調の影響を考慮した医療者による運動支援が必要である.