Palliative Care Research
Online ISSN : 1880-5302
ISSN-L : 1880-5302
原著
終末期がん患者の心肺蘇生をしないことに関する話し合いの現状
松田 洋祐 大出 幸子森 雅紀前田 一石山口 崇石木 寛人羽多野 裕濵野 淳森田 達也
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2024 年 19 巻 2 号 p. 137-147

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抄録

【目的】本研究の目的は日本の終末期がん患者の心肺蘇生をしないことに関する話し合い(Do-Not-Resuscitate discussions: DNRd)の現状と,DNRdの有無による遺族の心理的負担を明らかにすることである.【方法】日本の23の緩和ケア病棟(PCU)に入院した進行がん患者を対象に多施設前向き観察研究を行い,患者が死亡退院後,その遺族への質問紙調査も行った.【結果】患者(n=1,605)と医師間でDNRdが行われていたのは,PCU入院前71.4%,入院時10.8%,入院中11.4%だった.一方,家族とはPCU入院前93.3%,入院時48.4%,入院中52.1%だった.【結論】PCU入院前から死亡までの経過を通じていずれかの時期では72.3%の患者と医師の間でDNRdが行われていたが,DNRdへの患者参加による遺族の抑うつや複雑性悲嘆といった心理的負担は認めなかった.

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© 2024 日本緩和医療学会

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