Palliative Care Research
Online ISSN : 1880-5302
ISSN-L : 1880-5302
原著
がん診療連携拠点病院に勤務する医師がアドバンスケアプランニング(ACP)の実践において抱える困難
山口 久美子 坂口 美和辻川 真弓
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2024 年 19 巻 2 号 p. 121-128

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抄録

【目的】アドバンスケアプランニング(ACP)の実践には医療者,患者それぞれに障壁があることが指摘されている.ACPの話し合いを導入する職種は主に医師であることから,本研究では,がん診療連携拠点病院に勤務する医師がACPの実践において感じている困難を明らかにすることを目的とした.【方法】がん患者に対してACPを実践している医師10名を対象に半構造化面接を行い,Graneheimらの質的内容分析の手法を参考にして分析した.【結果】ACPにおける困難として,患者のレディネス不足,医療者のレディネス不足,コミュニケーションの齟齬,ACPの評価指標の欠如,職業倫理とのジレンマ,医療・社会システムの不備の六つが抽出された.【結論】患者,医療者それぞれにACPに対するレディネス不足があり,そこに起因するコミュニケーションの齟齬や協働する仲間の不在に,医師は困難を感じていた.

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© 2024 日本緩和医療学会

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