目的:高齢化率が高く,医療資源の少ない地域に住む高齢者の希望する最期の療養場所と緩和ケアの認識を明らかにする. 方法:高齢化率が40%を超える地域の病院で緩和ケアチーム(palliative care team: PCT)発足1年半が経過した2022年6月に,通院中の65歳以上の患者を対象に質問紙調査を行った. 結果:475名(36.6%)から有効回答を得た.希望する最期の療養場所は,自宅で過ごしたい患者は317名(66.7%)で,その中で自宅療養が現実的に困難だと思う患者は157名(49.5%)だった.緩和ケアを聞いたことがある患者は277名(58.3%),PCTを知らない患者は437名(92.0%)だった. 結論:高齢化率が高く医療資源の少ない地域に住む高齢者の希望する最期の療養場所と緩和ケアの認識が明らかになった.今後は住民への緩和ケア提供に関する周知と地域の医療介護職員の連携した体制づくりが課題である.