2025 年 20 巻 1 号 p. 63-69
目的:新型コロナウイルス感染症による院内がんピアサポートへの影響を検討する. 方法:がん診療連携拠点病院の相談支援センターを対象に,2023年2月16日~3月17日の期間で,コロナ禍の状況を含む14項目の自記式無記名アンケート調査を実施した.記述統計ならびに質的記述的に分析した. 結果: 451病院のうち,220病院(回収率48%)から回答を得た.コロナ禍は89%の病院が患者サポートを休止し,現在も36%の病院が休止していた.コロナ禍の特徴として,①ピアサポートの停滞,②オンラインの導入,③ハイブリッドな相談活動の構築とオンライン相談対応スキルの獲得の必要性が抽出された.コロナ禍以前は,ピアサポートの運用体制について苦慮していた. 結論:コロナ禍で新たに導入したオンラインの活用も含めて,院内ピアサポートの運用体制を構築していくことの必要性が示唆された.