2026 年 21 巻 2 号 p. 93-97
【目的】乳がん術前化学療法において,頭皮冷却療法を併用した外来化学療法を受ける患者を対象に,体験した苦痛の実際とその受け止め方を明らかにし,支持的ケアとしての意義を検討する.【方法】頭皮冷却法を導入した乳がん術前化学療法患者を対象に,選択式および自由記載から構成した質問紙の内容分析を行った.【結果】50名中,同意が得られた22名を対象とした.年齢中央値は48.5歳であった.身体的不快症状として顎の痛みや寒冷感がみられたが,環境調整や医療者の関わりが苦痛の受け止め方や冷却法継続の判断に影響していた.自由記載の内容分析から「環境への調整と配慮」「身体的不快と脱毛予防の葛藤」「高額な費用による継続への影響」「冷却法の効果評価に伴う不確さ」の4カテゴリーが抽出された.【結論】頭皮冷却法は脱毛予防にとどまらず,患者が術前化学療法に向き合う過程を支える支持的ケアとして機能している可能性が示唆された.