抄録
【背景】当院では平成24(2012)年4月の緩和ケア病棟開設時より, 「心を支える食事」を提供するために, 緩和ケア病棟担当の食事チームを立ち上げた. 【方法】平成24年4月から平成25年3月までの間に当院緩和ケア病棟を退院した患者84名を対象とした. 管理栄養士による病棟定期訪問および臨時訪問を行い, リクエスト内容について調査した. 当院緩和ケア病棟で看取った患者については食事摂取期間を調査した. 【結果】リクエストの内容としては主食27種, 主菜12種, 副菜13種, 果物・デザート・飲み物が18種, 漬物・ふりかけが6種であり, 全リクエスト種類数は76種類であった. 看取り患者では死亡直前(0日~7日前)まで57%の患者が食事を摂取した. 【結語】患者個人の担当制を導入し, 週1回の定期訪問に加え, 臨時訪問を行ったことで, 患者の希望に沿った食事を提供し, 最期まで食べたいという患者の気持ちを支えることができた.