抄録
【目的】がん患者の望む療養場所は変化する. 当院ではかかりつけ医との24時間連携体制〔ホスピスホットライン(以下, HL)〕を構築し, 平成22 (2010)年4月から実施している. 今後の連携充実に向けた課題抽出を目的に3年間のHL症例を検討した. 【方法】緩和ケア医が患者家族と面談を行い, 同意の得られた症例をHLへ登録した. 【結果】平成22年4月~25年4月までのHL登録は75例あり, かかりつけ医のHLへの要望はバックアップ病床69例, 症状緩和のコンサルト14例であった. 転帰は当院入院42例(うち緊急21例), かかりつけ医による在宅看取り18例, 他院入院4例, 継続11例であった. 【考察】当院入院の半数が緊急入院(うち時間外6例)であり, かかりつけ医・緩和ケア病棟双方の負担をより軽減するために, より密な連携をとっていく必要がある. これにより早期からの症状緩和や入院時期の適切な決定などにさらなる効果が期待される.