2014 年 9 巻 4 号 p. 112-120
【目的】Liverpool Care Pathway日本語版在宅バージョン(LCP在宅版)を開発し, 実施可能性を検討する. 【方法】在宅緩和ケアを行っている3施設で, 予後数日と予測されるがん患者を対象にLCP在宅版を使用し, ケアの目標達成状況と看護師を対象に質問紙調査を実施した. 【結果】LCP在宅版を使用した患者は35名であった. ケアの目標達成状況は, 80%以上達成されていた. 対象看護師は, スタッフ間で統一した看取りのケアの提供, 在宅ケア関係者とのコミュニケーションの促進, 看取りのケア経験の少ない看護師への教育においてLCP在宅版を有用であると評価していた. 【結論】在宅緩和ケアの教育支援としてLCP在宅版が開発され, 看取りのケアの教育や在宅ケア関係者間との連携において有用である可能性が示唆された. 英国でLCPの段階的廃止を受け, 今後日本独自の看取りのケアの教育支援を検討していく必要がある.