2024 年 49 巻 1 号 p. 1-8
コロナウイルス感染症(COVID-19)蔓延下では,病院での面会が大幅に制限された.小児病棟も例外ではなく,小児脳腫瘍の終末期患者の中に,在宅療養を選択する家族があった.本論文では,小児脳腫瘍終末期緩和医療の2例を提示する.悪性腫瘍患者の在宅看取り経験が豊富な訪問診療医と関連診療科医とがん相談支援センターとが連携した.患児の痛みや苦しみの緩和だけでなく,患児を支える家族の不安に対し,介護や緊急時対応の指導などを行う必要があった.多職種や関連部署との連携が有効であった.さらなる経験蓄積が必要である.