2013 年 35 巻 2 号 p. 133-138
要旨:脳卒中急性期患者データベースの構築を目的として開発された脳卒中データバンクは,10年以上を経過し現在10万例以上の患者登録が行われている.このデータベースは全国レベルの解析に加え,各施設での利用にも対応したシステムである点に特徴がある.これまで3回の全国データ解析が行われ,結果は定期的に「脳卒中データバンク」として書籍出版されている.脳卒中データバンクは近年,脳卒中診療と関連した他のデータベースとの連結が始まっている.電子カルテデータの転送による入力作業の省力化,DPCデータとの連結による脳卒中診療の医療経済学的解析,リハビリテーション・データベースあるいは地域連携パスとの連結による脳卒中患者のシームレスな医療連携の確立,さらに病院前脳卒中救護スケールとの連結による急性期脳卒中医療の推進など,脳卒中医療全般にわたる貢献が期待される.