主催: 一般社団法人日本周産期・新生児医学会
会議名: 周産期学シンポジウム:周産期の炎症とその周辺
回次: 16
開催地: 兵庫県
開催日: 1998/01/23 - 1998/01/24
p. 71-75
はじめに
近年小児領域のさまざまな好中球減少症に対し外因性granulocyte colony-stimulating factor(以下G-CSF)の有用性が報告されている1, 2)。しかし,新生児細菌感染症に伴う好中球減少症に対する外因性G-CSFの効果に関する報告は少ない3, 4)。この新生児細菌感染症に伴う好中球減少症の理由は十分解明されておらず,Christensenら5)は新生児骨髄での好中球のstrange poolが少ないためと報告し,Schiblerら6)は新生児はG-CSFの産生能力が未熟であるためと報告している。
今回,われわれは好中球減少性新生児細菌感染症例において,外因性G-CSFを投与した際の血中G-CSF濃度と好中球数の変化を調べその治療法および病態生理を検討することを目的とした。