主催: 一般社団法人日本周産期・新生児医学会
会議名: 周産期学シンポジウム:Preterm を考える〜preterm児のCPとlate pretermの諸問題〜
回次: 32
開催地: 福岡県
開催日: 2014/02/07 - 2014/02/08
p. 15-20
新生児の腫瘍は生児の12,500〜17,300人に1人の割合で発症する。発生頻度は奇形腫が最多で,神経芽腫,軟部腫瘍が次ぎ,肝臓,腎臓,眼球,中枢神経は少ないとされる。奇形腫は女児,神経芽腫は男児に多いが,全体的に性差は認めない。卵巣腫瘍は組織学的にはfollicle cystで,経過中に自然消退や茎捻転を起こす場合がある。新生児腫瘍の大部分は良性で,悪性も認めるが予後は良好であるものが多い1,2)。近年,超音波検査,MRI検査によりさまざまな疾患の胎児診断は可能となり,腫瘍性病変は占拠性病変として胎児診断される事例が増えたものの,その種別確定に苦慮することは少なくない。
当院では,胎児診断から新生児治療までの過程で,診断,プレネイタルに産婦人科医だけでなく小児外科医も関わっている(図1)。今回,胎児診断および出生前からの小児外科医の早期介入にどのような意義があるかを検討した。