周産期学シンポジウム抄録集
Online ISSN : 2759-033X
Print ISSN : 1342-0526
第5回
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シンポジウム II:妊娠 30 週未満の分娩方法をめぐる諸問題
新生児の予後からみた30週未満児の分娩方式の検討
増本 義七種 啓行松本 和博高柳 俊光今村 甲久保田 健二築山 公一小尾 重厚安日 一郎吉村 秀一郎山崎 実好
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p. 139-148

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抄録

 I はじめに

 今日のNICUにおける新生児死亡の主な原因はRDSを伴った極小未熟児,先天奇形,新生児仮死を含む分娩障害などである。先天奇形による死亡はある意味で仕方のないことであり,問題はむしろmedical ethicsの方向にある。新生児仮死については判断のむずかしい症例はあるにせよ,一般的にいえば胎児モニターの普及によって激減してきたといえる。極小未熟児に関していえば,NICUをもつ病院内で出生した症例の予後は著明によくなってきているが,院外から搬送された症例の予後はそれほどよくない。これはperinatal careと分娩から治療開始までの管理の違いなど多因子によるものであろうことは既に発表してきたところである1)が,今回さらに詳しく30週未満の未熟児の短期予後および長期予後について調査し,その予後に影響すると思われる因子を検討したのでこれについて述べる。

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© 1987 日本周産期・新生児医学会
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