主催: 一般社団法人日本周産期・新生児医学会
会議名: 周産期学シンポジウム
回次: 5
開催地: 神奈川県
開催日: 1987/01/17
p. 149-157
I はじめに
NICUの普及と産科管理の向上により,極小未熟児の生存率が上昇してきている今日1)において,妊娠30週未満の早産(以下早期早産と略す)の周産期管理が大きくクローズアップされている。特に早期産管理の終止点でもあり,子宮内生活から子宮外生活,すなわち胎児から新生児,母体においては妊婦から褥婦と大きく変化する分娩という周産期には避けられない関門がある。早期早産の分娩様式の選択においては,母体に対する侵襲性と児の生存可能性ならびにintact survivalなどの予後との関係によりいまだ確立された一定の見解はなく,今日議論の多い間題点である。
今回,われわれは妊娠30週未満の早産(早期早産)における分娩様式と児の所見,予後との関係について若干の臨床的検討を試みたので報告する。