主催: 一般社団法人日本周産期・新生児医学会
会議名: 周産期学シンポジウム:IUGR
回次: 7
開催地: 東京都
開催日: 1989/01/21
p. 155-163
はじめに
子宮内胎児発育遅延児(IUGR infant)は,正常発育の児に比べ,周産期死亡,仮死および神経学的異常の多いことが知られている1)。しかし,最近では,産科医のIUGRに対する関心が高まり,厳重な周産期管理が行われるようになってきたため,児の短期的予後は改善しつつある2, 3)。しかし,新生児期には身体的に小さいだけで,とくに問題のなさそうな児が,長期的にどのような予後をたどるのかは,必ずしも明らかにされていない。
今回,私どもはSGA(small for gestational age)で出生した児の4~7歳の時点での精神運動発達に関する調査を行い,重度な神経学的異常の有無のみならず,軽度な神経学的異常や行動障害について,AGA(appropriate for gestational age)とのmatch control studyを行った。