抄録
手の治療にとっては,拘縮をいかに予防,改善するかがかねてからの課題であり,その治療手段としてのスプリントの意義は大きく歴史は古い.なかでも第二次世界大戦は手外科の手術手技を発展させ,スプリント療法はハンドセラピィの中心的な治療手段となった.その後も手外科の進歩に伴ってスプリントの役割は拡大し,術後の早期運動療法が提唱されている昨今では,拘縮予防を目的とするスプリントの重要性が高まってきた.しかしながら,現在でも拘縮改善用のスプリントは不可欠であり,その発展が期待されている.現在,拘縮改善用のスプリントは,瘢痕の成熟段階によって使い分けるのが一般的であるが,拘縮に対する至適矯正力や矯正時間,動的,静的スプリントの使い分け基準等は不明であり,これらの解明が今後の課題である.