2014 年 30 巻 2 号 p. 91-95
回復期リハビリテーション病棟に入院中の脳卒中患者139名を対象に,単変量解析と信号検出分析法を用いて,回復期病棟へ入院後1週間以内に行われる臨床評価のうち,入院より1カ月以上にわたり長下肢装具を使用する場合を効果的に予測できる評価要因の組み合わせと,その最適カットオフ値を分析した.採択された要因は,年齢とFIMのベッド・椅子・車いすの移乗の得点および機能的バランス指数で,組み合わせの1例としてFIMのベッド・椅子・車いすの移乗1点かつ年齢63歳以上の場合には,87.5%が長下肢装具を1カ月以上使用すると予測された.入院から1カ月以上,長下肢装具を使用するか否かの予測が可能になると長下肢装具の処方の遅延が減少することが期待される.