2015 年 31 巻 4 号 p. 248-254
カットダウン可能な時期における急性期脳卒中片麻痺患者を対象に,長下肢装具(以下,KAFO)と短下肢装具(以下,AFO)のそれぞれを用いたリハビリテーションの治療効果の調査を行った.対象は急性期脳卒中片麻痺患者で,AFOを使用した歩行が可能な者14名とした.AFOを使用する群とKAFOを使用する群に対象を分け,練習前後で非麻痺側・麻痺側下肢最大荷重量,歩幅,歩行速度,歩行率を比較した.その結果,KAFO群では麻痺側下肢最大荷重量,歩行速度,歩幅が練習後において有意な差が認められた.KAFOを使用した立位・歩行練習はカットダウン可能な時期を経過した場合においても歩行能力や麻痺側下肢の支持性を即時的に改善することが示唆された.