2016 年 32 巻 1 号 p. 53-55
脊髄性筋萎縮症(以下,SMA)による重度身体障児に対してバケットシートによるモールド型電動車椅子を作製した.電動車椅子が支給されるためには支給基準を満たすための操作訓練が必要であるが,バケットシートでのトータルサポートを要する重度障害者においては,今まで専用の電動車椅子用フレームがなかったため,十分な操作訓練期間が提供できない状況であった.今回,電動車椅子の練習用としてバケットシート専用の電動車椅子フレームを導入し,その練習用フレームに患児のバケットシートを装着し電動車椅子操作の練習を開始した.バケットシートによる安定した姿勢保持,コントローラーの改良によって操作能力が向上し,電動車椅子の支給が可能となった.