2016 年 32 巻 2 号 p. 119-121
高齢者の切断では,合併症や認知面の問題,活動性の低下,体力の低下などを認め,治療に難渋することは多い.リハビリテーション(リハ)を実施するにあたって,次のような医療·福祉制度面の課題が考えられる.①医療機会の問題 : 高齢者の義足適応については,目的を歩行獲得に限定せず,義足試用の機会を検討することが求められる.また,現状では,回復期リハ病院が担う役割は大きいが,回復期リハ病院における義足処方やトレーニングに関しては課題がある.②機関連携の問題 : 地域において,義足の修理や新規作製のためには,どこへ行けばいいのかについて情報が与えられていない.③義足パーツの問題 : 費用対効果も十分検討して適切な義足処方を行う必要がある.