2016 年 32 巻 3 号 p. 160-165
3Dプリンターをうまく活用して,主に小児用の能動義手を無償で供給,貸し出しているコミュニティ「Enabling the Future」と,そこで公開されている義手について紹介する.そのホームページでは,手関節や肘関節の屈曲を動力源とする能動義手モデルのデータを公開しているほか,一般の3Dプリンター所有者に呼びかけてプリントした義手部品を集め,ガールスカウトなどがボランティア活動としての組立会を開催して義手を組み立て,寄付金によって送料を賄うことによって,世界中に無償で供給したり貸し出したりしている.ここで提供されているデータを基に2種類の義手をプリントして組み立てた経験を紹介し,そこから3Dプリンター応用の可能性について考察する.