2019 年 35 巻 1 号 p. 41-45
近年では,義肢装具利用の適合評価の際に運動力学的観点から,力やモーメントなどで評価する論文を散見する.多くは三次元動作解析システムなどの高額な機器を用いたものが多く,敷居が高いものである.本稿では歪みゲージという1枚数百円程度の安価なセンサを利用して,力やモーメント計測を実施するための方法について,機器の準備から,キャリブレーションの方法についても言及する.また本稿は,極力,数式などの難しい専門用語は避けて読者にわかりやすく説明していき,義肢装具の力学評価導入にあたって敷居を下げたいと筆者は思っており,積極的に義肢装具の評価に応用していただければと思っている.本稿の後半では,実際に装具に歪みゲージを貼付して得られた活用事例についても紹介する.