2019 年 35 巻 2 号 p. 109-114
近年,座位保持装置の構成部品は多様化し,その製作においては義肢装具士や部品メーカー,製作担当者らとの協力が不可欠である.そのような中,座位保持装置に関する理学療法士の役割として,「評価」に対する期待が相対的に高まっている.座位保持装置の使用目的は多様であり,それに応じた評価が必要となる.また,エビデンス構築のための「科学的な評価」も求められている.本稿は,これらの背景に基づき,理学療法士が行うべき評価について概説するとともに,それに関連して著者らが取り組んでいる座位姿勢の定量的計測手法,および身体接触面のせん断応力の定量的計測手法の開発研究を,将来,実用化が期待される評価技術として紹介する.