日本義肢装具学会誌
Online ISSN : 1884-0566
Print ISSN : 0910-4720
ISSN-L : 0910-4720
症例報告
手部切断における仮義手訓練の必要性
—一症例の作業療法経験を通して—
小林 伸江佐藤 洋二妹尾 勝利井上 桂子
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 35 巻 2 号 p. 146-149

詳細
抄録

手部切断者の多くは装飾用義手を作製する.その際,仮義手訓練は一般的ではなく,本義手作製までの具体的なアプローチが確立されていないのが現状である.今回,筆者らは,母指が残存した手部切断者に対して早期義肢装着法を実施し,その有効性を検討した.スプリント材で訓練用仮義手を作製し,機能訓練を行った.その結果,つまみ機能の再獲得と外観の補填が可能となった.また仮義手の経験から,装飾面と機能面を兼備した本義手が完成でき,受け渡し直後から物品操作が可能となった.この作業療法経過から,手部切断に対する早期義肢装着法は有効であることが示唆された.

著者関連情報
© 2019 日本義肢装具学会
前の記事 次の記事
feedback
Top