2021 年 37 巻 3 号 p. 212-218
圧力分散効果は,インソールにおいて非常に重要な要求機能の1つである.しかし,従来の評価指標は,圧力の分布を測定しているものにすぎなかった.そこで,より効果的に圧力分散効果を評価する指標を考案し,妥当性を検証した.被験者は健常な成人男性8名と成人女性3名の計11名である.硬度が異なる樹脂フォーム材5種類における静止立位時の圧力分布を測定し,従来評価指標(ピーク圧,接触面積)と今回提案する新規圧力分散評価指標(PDP)をそれぞれ算出し,圧力分散に関する主観評価との相関係数を比較した.その結果,新規評価手法の方が従来評価手法より主観評価との関係が強く,従来指標よりも圧力分散効果を定量的に評価し得る可能性が高いことが明らかとなった.