我々は既存の短下肢装具に併用して内反尖足を矯正することを目的とした新しい装具ストラップ「踵骨安定化ストラップ」を開発した.本製品の有効性を検証する目的で立位検査と歩行時の足底圧計測を慢性期脳卒中片麻痺患者15名で実施した.本製品を使用した条件では立位重心動揺面積の減少とクロステスト成績の改善が得られ,立位バランスの改善を認めた.また,歩行検査では足底圧分画圧力値からは内反尖足の改善,足底圧中心軌跡からは立脚期の側方安定性の改善が示唆された.今後は長期使用時の耐久性などの検討を加えた後に本製品を実用化する予定である.