足関節果部骨折は,術後も長期で歩行速度や足関節底屈モーメント低下などを生じる.本研究は抗力を具備した継手付き体幹装具(TSC)とノルディックポール(NP)の使用が足関節果部骨折術後患者の歩行能力に与える影響を明らかにすることである.歩行が自立した12名の足関節果部骨折術後患者にTSCおよびNPを使用して歩行速度,歩幅,痛み,そして腓腹筋の筋活動電位の評価を行った.結果として,TSC装着前と比較し,TSC装着時とTSCを外した直後の歩行速度が有意に増加し,TSC装着時の患側腓腹筋の筋活動電位が有意に増加した.なお,NP使用時との間には有意差を認めなかった.足関節果部骨折術後患者へのTSC装着は歩行能力を即時的に改善させることが示唆された.