日本義肢装具学会誌
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短報
急性期病院での備品長下肢装具の課題
—当院のデータから—
栗田 慎也尾花 正義
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2023 年 39 巻 1 号 p. 57-59

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抄録

脳卒中発症早期より長下肢装具(Knee-Ankle-Foot-Orthosis:以下,KAFO)を使用する報告は増えているが,病院の備品であるKAFO(以下,備品KAFO)は患者の下肢周径が大きく装着ができないことや備品KAFOの制限体重などの問題で使用できないことがある.本調査は2017年から2021年1月までに当院で本人用のKAFOを作製した脳卒中患者45例の診療録を後方視的に調査し,備品KAFOが使用できなかった要因を検討した.結果は45例のうち,30例が男性であり,男性の平均体重は69.6±15.7 kgであった.このうち,12例(約40%)は備品KAFOの制限体重以上であった.備品KAFOの制限体重以上の脳卒中患者でKAFOが必要である場合には,本人用のKAFOを早期に作製する必要が示唆された.

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© 2023 日本義肢装具学会
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