脳卒中発症早期より長下肢装具(Knee-Ankle-Foot-Orthosis:以下,KAFO)を使用する報告は増えているが,病院の備品であるKAFO(以下,備品KAFO)は患者の下肢周径が大きく装着ができないことや備品KAFOの制限体重などの問題で使用できないことがある.本調査は2017年から2021年1月までに当院で本人用のKAFOを作製した脳卒中患者45例の診療録を後方視的に調査し,備品KAFOが使用できなかった要因を検討した.結果は45例のうち,30例が男性であり,男性の平均体重は69.6±15.7 kgであった.このうち,12例(約40%)は備品KAFOの制限体重以上であった.備品KAFOの制限体重以上の脳卒中患者でKAFOが必要である場合には,本人用のKAFOを早期に作製する必要が示唆された.