日本義肢装具学会誌
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外傷手に対するスプリント療法とバイオメカニクス
大山 峰生大西 秀明木野 義武田崎 和幸町田 まどか戸谷 深雪長谷川 みちこ茶木 正樹
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1999 年 15 巻 2 号 p. 125-132

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抄録
手の外傷を多く扱う専門病院にて, われわれが行ってきた拘縮に対するスプリント療法の実際を紹介した. さらに当施設における, 5年間のスプリントの使用状況を調査した. その結果, 拘縮予防および矯正用のスプリントは, 使用スプリント全体の87%を占めていた. 複合組織損傷例ではスプリント使用率が最も高く (265手中201手), なかでも骨折合併例にスプリントを多用していた. また最も多用していたスプリントは, PIP関節を伸展位に矯正する Screw Splint (SS-FC) であり, その有用性について検討した. その結果, ある程度柔軟性のあるスプリント材を利用し, 掌側バーの凸部の角度を鈍角にしたSS-FCは, 関節軟骨に傷害を加えることなく有効な矯正力を有することが判明した.
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