女性心身医学
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原著
授乳婦の相談161例からみえた薬相談外来の役割を考える
香西 祥子, 河西 邦浩
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2025 年 29 巻 3 号 p. 328-336

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抄録

妊娠・授乳中の薬の使用について不安を感じる女性は少なくない.妊娠期は妊婦健診の際に相談することができるが,授乳期の薬については産後1カ月健診を終了すると医療機関との定期的な接点が減り相談できる機会が少ないのが現状である.当院は2012年より薬剤師が産婦人科にかかわっており,2018年に産婦人科内に「妊娠と授乳のお薬相談センター」(以下相談センター)を開設し,妊婦・授乳婦専門薬剤師(以下専門薬剤師)が相談に対応している.授乳中の相談は電話でも可能としているため他院で分娩した授乳婦からの相談も少なくない.今回,2015年1月から2020年12月までに専門薬剤師が対応した授乳期の相談161例について解析した.相談件数はセンター開設前の2017年は4件であったが2018年には45件と約11倍となり,それ以降も同様の件数で推移していた.相談時期は分娩後1カ月から6カ月未満の相談が64例と最も多かった.分娩施設は他院分娩女性からの相談割合が分娩経過とともに増え,児が1歳以上では78%であった.相談回数は46%が複数回の相談であった.相談回数3回以上の相談事例では,半数が基礎疾患の治療薬であった.当院で分娩した女性はすべて妊娠中から専門薬剤師が介入していた.授乳中の薬剤の処方元は89%が産婦人科以外であり,4%は一般市販薬の相談であった.相談外来を開設したことにより相談件数が大きく増え,また複数回の相談も多いことから継続したサポートが必要であると考えられる.一方で当院のように専門薬剤師が対応している施設は少ない.そのため,授乳中の薬剤について相談ができる施設の構築だけでなく,相談施設につながるためのネットワークの構築が必要である.

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© 2025 一般社団法人 日本女性心身医学会
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