日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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Ribulose-bisphosphate carboxylase/oxygenase (RuBisCO)と枯草菌Bacillus subtilis RuBisCO-like protein (RLP)の共通触媒反応
*芦田 弘樹齋藤 洋太郎小林 和夫児嶋 長次郎小笠原 直毅横田 明穂
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p. 146

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抄録
非光合成細菌であるB. subtilisはRuBisCOと相同性を示すRLPをコードする遺伝子を有する。この遺伝子はmethionine salvage pathway (MSP)遺伝子オペロンに存在することから、RLPは、この代謝経路で機能していると予想された。RLPの触媒ステップを明らかにするために、B. subtilisのMSPの各反応ステップの酵素を同定した。MSP遺伝子オペロンであると予想されているykrTとRLPオペロンに存在するykrS、RLP、ykrXYZのリコンビナントタンパク質を用いて各反応ステップ触媒酵素と反応生成物の解析を1H-NMR及びUV-visibleスペクトル測定により行い、全てのMSPの反応ステップの酵素を同定した。その結果、RLPは第4ステップである2,3-diketo-5-methylthiopentane-1-phosphate enolase反応を触媒していることが明らかになった。エノール化はribulose-bisphosphateを基質とするRuBisCOの反応に共通している。さらにRLP破壊株はmethylthioadenosineを単一硫黄源に生育できないが、この表現型は光合成細菌Rhodspillirum rubrum rbcL遺伝子により相補された。この結果はRuBisCOにもRLPと同反応触媒能を持つことを示唆する。
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© 2003 日本植物生理学会
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