抄録
我々はバイナリーベクターの操作性を向上させることを目的として、Gatewayクローニング技術が利用可能なバイナリーベクターの開発を行ってきた。特に様々なタグを簡便に融合するためのベクターシリーズを作製してきた。今までに、GFP、6His、FLAG、3HA、4Myc、10Myc、GSTを目的タンパク質のN末あるいはC末端に融合させるベクターの作製を行ってきたが、今回新たにT7タグを融合するためのベクターをシリーズに加えた。
このようなGateway Binary Vectorシリーズを用いて植物でのタグ融合タンパク質の発現と、活性に及ぼす影響について調べた。レポーターとしてGUSを用い、上記の各種タグを融合し、タバコ培養細胞BY-2で発現させた。抗タグ抗体による検出、抗GUS抗体によるGUSタンパク質の定量、GUS活性の測定を行い、タグ融合によるGUS活性の変化について調べた。