日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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イネGA非感受性変異体 GA insensitive dwarf 1 (gid1) の解析(4)
*上口(田中) 美弥子芦苅 基行伊藤 博紀佐々木 章江小林 正智北野 英巳松岡 信
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p. 648

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抄録
gid1は、ジベレリン (GA) 非感受性で極矮性を示す新しいイネの変異体である。マップベースクローニングにより原因遺伝子を単離したところ、GID1は、serine hydrolaseをコードしていることが明らかとなった。また、GID1は、GAシグナル伝達の抑制因子であるSLR1と直接作用することが示唆された。最近新たに、GA非感受性極矮性変異体、gid2の原因遺伝子を単離した結果、GID2が、Fボックス様タンパク質をコードし、SLR1の分解に関わっていることが推測された。そこで、今回は、GAシグナル伝達におけるGID1とGID2の関係について調べたので報告する。
gid1gid2変異体に蓄積しているSLR1量を比較したところ、SLR1が抑制因子であり、gid1変異体のほうが矮性変異形質が強いにもかかわらず、その蓄積量は、gid1変異体のほうがはるかに少なかった。この結果および形質転換体の解析結果から、GID1は、GAシグナル依存的にSLR1に直接作用し、その抑制活性を変化させるものと考えられた。
本研究の一部は、生研機構基礎推進事業の支援で行った。
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© 2003 日本植物生理学会
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