抄録
MgSiO3 組成の高圧相であるブリッジマナイト多結体の破断面のX線回折測定およびラマン分光法による評価を実施した。その結果、軟X線吸収分光測定によって検出された破断面に存在するシリコン4配位相が、MgSiO3 アモルファスであることが明らかとなった。さらに、マイクロカンチレバー試験片を用いた破壊試験を実施した結果、亀裂進展抵抗が亀裂進展とともに増加する現象を観察した。このことは、この物質が応力誘起相変態(ブリッジマナイトから MgSiO3 アモルファス)によって高靭化している可能性がある。