日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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イネ・アルコール脱水素酵素遺伝子Adh2の相同組換えによるターゲティング
*齊藤 美保定塚(久富) 恵世寺田 理枝飯田 滋
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p. 032

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抄録
イネは単子葉のモデル植物でそのゲノム情報や新規トランスポゾン等が急速に充実しつつある。遺伝子ターゲティングは、自在にゲノムを改変することが可能で遺伝子の機能を解析する上で優れた手法と考えられる。我々はイネのターゲティングによる遺伝子改変法の汎用化に向けて、冠水ストレスに関わるアルコール脱水素酵素(Alcohol dehydrogenase: Adh) 遺伝子の改変を試みた。イネのAdh1Adh2は第11番染色体上にタンデムに存在し、それぞれ約40kDaのタンパクをコードし、ホモダイマーあるいはヘテロダイマーで組織特異的に発現していることが報告されている。Adh2はイネの根でホモダイマーとして強く発現することが報告され、水田で育成されるイネの特徴的な形質を担っている。すでに開発したWaxy遺伝子のターゲティング法に基づき、Adh2遺伝子の翻訳開始点(ATG)の上流の第1エクソンにHmr(Hygromycin耐性)遺伝子と転写終止領域を挿入し、遺伝子破壊するターゲティングベクターを構築し、強力なポジティブ・ネガティブ選抜によるターゲティングを行った。その結果PCR解析で相同組換えが生じたと推定される複数のカルスを得た。さらに詳細なサザン解析を行ったので、その結果についても報告する。
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© 2004 日本植物生理学会
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