日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナの新奇レスポンスレギュレーター因子ARR22の機能解析
*木羽 隆敏青木 考榊原 均水野 猛
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p. 054

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抄録
His-Aspリン酸リレー情報伝達系が、植物のホルモン応答や環境応答において重要な役割を担っていることが強く示唆されている。His-Aspリン酸リレー情報伝達系はセンサーHis-キナーゼ(HK)、ヒスチジンホスホトランスミッター(HPt)とレスポンスレギュレーター(RR)の三つの因子から構成される。HKがシグナル受容体として働き、情報がHis残基とAsp残基の間のリン酸リレーを介してHPt因子、RR因子へと伝達される。RRは情報の出力を司る因子であり、シロイヌナズナにはRR(Arabidopsis Response Regulator: ARR)が22種類存在する。ARRはその発現パターンと一次構造の違いから、タイプA(10種類)、タイプB(11種類)、そしてどちらにも属さないタイプ(ARR22)に分類される。これまでの研究から、タイプA ARRとタイプ B ARRはそれぞれ、サイトカイニン情報伝達系の負及び正の制御因子として機能することが示されている。しかし、どちらのタイプにも属さないARR22については、これまで解析されていなかった。
本発表ではARR22に焦点をあて、他のARRとの比較、サイトカイニン情報伝達への関与、発現様式の解析、細胞内局在性の同定に加え、過剰発現体の表現型やマイクロアレイを用いた解析結果を報告する。
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© 2004 日本植物生理学会
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