日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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トウモロコシ由来サイトカイニン受容ヒスチジンカイネースの機能解析:リガンド選択性、シスゼアチン応答性および細胞内局在性
*榊原 圭子小嶋 美紀子山谷 知行榊原 均
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p. 055

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抄録
高等植物においてサイトカイニンシグナルはヒスチジンカイネース(HK)、ヒスチジンフォスホトランファープロテイン、レスポンスレギュレーター(RR)の3つのモジュールからなる二成分制御系によって受容、伝達される。我々は、トウモロコシよりサイトカイニン受容体ヒスチジンカイネース( ZmHK1,ZmHK2,ZmHK3a)を単離し、その機能解析を行った。大腸菌変異株[ΔrcsC, cps::lacZ]を用いた実験により、ZmHK1およびZmHK3aはヌクレオシド型よりもフリー型のサイトカイニンに高い活性を示し、一方ZmHK2についてはそのような差は見られないことが明らかとなった。また、すべてのZmHKは、今まで不活性型もしくは活性が弱いと考えられていたシスゼアチンをリガンドとして認識した。ZmRRはZmHKの下流に位置する情報伝達因子でありサイトカイニンによってその発現が誘導されることが知られている。トウモロコシの培養細胞をトランスゼアチンあるいはシスゼアチンで処理した場合、ZmRR1の発現はシスゼアチン、トランスゼアチンのどちらでも同程度上昇した。以上の結果からトウモロコシサイトカイニン受容体はそれぞれ異なるリガンドを認識すること、少なくともトウモロコシにおいてシスゼアチンは活性型分子として機能しうることが示唆された。ZmHKの細胞内局在性についてもあわせて発表する予定である。
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© 2004 日本植物生理学会
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